QIAGEN CLC Genomics Workbench (CLC GWB) は、多様な生物種、プラットフォームおよび解析目的に対応するNGS データ2次解析のグローバルスタンダードです。ソフトウェア画面 (GUI: グラフィカル・ユーザー・インターフェイス) のクリックにより、変異解析、シングルセルを含む RNA-seq 解析、微生物関連解析、コロナウイルスゲノムの解析などが、自身のコンピュータやサーバーで簡単に実施できます。最近のアップデートでは、FPGA や GPU不要で、 CPU のみのコンピュータでヒト遺伝性 WGS/WES 変異解析が超高速で実行できる LightSpeed Module 等、新規機能が次々に追加されています(CLC GWB Premium)。
本オンラインユーザーグループミーティングは、2日間の日程で、QIAGEN CLC GWB ユーザー様のご講演、シングルセルレベルでのNGS 解析をリードする 10x Genomics 様のご講演、QIAGEN スタッフによる関連機能のご説明、NGS パネル試薬のご説明を予定しております。
シングルセルを含む RNA-seq 解析、ヒト変異解析など、NGS 解析にご興味のある方なら、どなたでもご参加いただけますので、この機会に是非、ご参加ください。
時間 | 内容 | 演者 |
15:00-15:05 | ご挨拶 | 株式会社キアゲン QDIチーム セールスマネージャー 世良 実穂 |
15:00-15:45 | 生物学の複雑性を解明するパワフルなシングルセルソリューション | 10x Genomics 北アジア・リージョナル マーケティングマネージャー 大崎 研 様 |
15:45-16:20 | GUI による Single Cell RNA-seq解析機能のご紹介 | 株式会社キアゲン QDI チーム 古谷 昭博 |
時間 | 内容 | 演者 |
15:00-15:05 | ご挨拶 | 株式会社キアゲン マーケティング部長 酒井 名朋子 |
15:05-15:30 | 【QIAseq 試薬】サイエンティストに選ばれる! FFPEに最適化された簡便且つ高効率なパネル |
株式会社キアゲン マーケティング Genomics 嶋多 涼子 |
15:30-16:20 | DNAとRNAを用いたリンチ症候群のバリアント解析と評価 | 埼玉県立がんセンター 腫瘍診断予防科 山本 剛 先生 |
時間 | 内容 | 演者 |
17:00-17:25 | CLC LightSpeed Module による 超高速 WGS 変異解析機能のご紹介 |
株式会社キアゲン QDI チーム 宮嶋 伸行 |
17:25-18:05 | 老化T細胞のがん免疫における役割の解明 | 愛媛大学大学院 医学系研究科 免疫学講座 鈴木 淳平 先生 |
18:05-18:20 | NGS データ3次解析 (解釈) ツールのご紹介 | 株式会社キアゲン マーケティング QDI 國田 竜太 |
【招待講演 大崎 研 様】演題:生物学の複雑性を解明するパワフルなシングルセルソリューション 要旨:生物学が持つ膨大な複雑性を理解するには、細胞から組織、そしてその先にある全体像を予測するようなアプローチが必要です。シングルセル解析は、複雑な組織タイプの特徴づけ、希少な細胞集団の同定、遺伝子間の制御関係の解明、などに威力を発揮する強力な解析手法です。 この発表では、10x GenomicsのChromium シングルセルソリューションが、これまでの研究の限界を押し広げるためにどのように使えるかをご紹介します。細胞タイプの違いから新規サブタイプやバイオマーカーの検出などが可能なシングルセル解析は、近年、新鮮細胞だけでなく固定細胞やFFPEなどからも実験が可能になっています。非常に複雑な生物学的システムを解明し、最も重要な細部に焦点を当てるこの最新の解析をご紹介します。 【招待講演 山本 剛 先生】演題:DNAとRNAを用いたリンチ症候群のバリアント解析と評価 要旨:ミスマッチ修復(MMR)遺伝子の生殖細胞系列病的バリアントを主な原因とするリンチ症候群は、さまざまな臓器に悪性腫瘍が好発する遺伝性腫瘍症候群である。近年、免疫チェックポイント阻害薬の適応を判定する検査や包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP)においてMMR機能の欠損やMMR遺伝子バリアントが調べられるようになり、多くのリンチ症候群を疑う症例が見つかっている。以前より当科では、全国40施設以上が参加する他施設共同研究として、リンチ症候群が疑われる症例に対する遺伝学的検査を行ってきた。検査はISO15189認定を受けて運用されており、DNAとRNAそれぞれについてQIAseq Targeted DNA Custom Panel及びLong PCR+Nextera XTを用いてライブラリ作製・シーケンス、QIAGEN CLC Genomics Workbench(GWB)を用いて解析した後にエキスパートパネルを経て結果を報告している。本講演ではStructural variationに対応したQIAseqのパネル設計やBreak point決定等のバリアントの検証に対するGWBの利用法、バリアント評価におけるRNA解析の重要性と解析手法を中心に、当科で行われている遺伝学的検査について紹介する。 【招待講演 鈴木 淳平 先生】演題:老化T細胞のがん免疫における役割の解明 要旨:T細胞の老化は、抗原特異的な獲得免疫機能の低下を引き起こし、がんや慢性感染症、慢性炎症疾患など、加齢関連疾患の発症増加を誘発すると考えられている。一方で、一部の老化したT細胞が抗原に依存しない自然免疫細胞様の活性を獲得し、加齢個体において生体防御を行うことも報告されており、老化T細胞の生理・病態生理的役割は未だ明らかになっていない。本講演では、老化T細胞の遺伝子発現についてCLC Genomics Workbenchを活用した解析例を示し、わたしたちが最近報告した、がん免疫応答における老化T細胞の新たな役割について述べる。 |