QIAGEN logo

2021年 UNGS
QIAseq News

開催日時:11月4日(木)15:00~16:00(質疑応答含む)

演題:微生物のシングルセルゲノム解析を実現するツールたち
演者:細川 正⼈ 准教授 早稲田大学 大学院先進理工学研究科 / bitBiome株式会社 CSO
内容: 微生物のシングルセルゲノム解析は、多様な微生物を含むサンプルから個別のゲノム情報を獲得し、単離培養が困難な微生物の機能・役割の理解や新規有用遺伝子の獲得を手助けする。 近年、「シングルセル解析」を掲げた論文・技術が爆発的に増加しており、様々な「シングルセル解析」が生命科学研究に取り入れられるようになった。しかし、現行の「シングルセル解析」の多くはヒト・マウスなどの哺乳類細胞を対象としたものであり、その解析法を微生物にそのまま転用できることはほぼない。この理由には、微生物自体が形状・膜構造など多様な性質を持つこと、分析対象である生体分子が極めて少ないことなどが挙げられ、「微生物ならではの解析の難しさを克服したシングルセル解析」が必要である。 演者らはこれまで、微生物、特に細菌のシングルセルゲノム解析を実現するために、マイクロ流体技術やバイオインフォマティクスツールを開発し、高精度かつ網羅的に未培養微生物の全ゲノムを解読するためのツールを開発してきた。また、現在は、研究成果活用ベンチャーbitBiome社を通じてこれらのツールを様々な研究に提供し、多様な解析へ展開している。
本発表では、これらツールたちを使うことで、今何ができるのか、微生物シングルセル解析で何がわかるのかを紹介する

【2】微生物ゲノム・プロファイリングの論文集のダウンロード

QIAseq Library kitsを使用した微生物ゲノム解析に関する論文集を作成しました。新型コロナウイルス全ゲノム解析、薬剤耐性菌の検出、インフルエンザウイルスまたは都市型のメタゲノム解析への活用方法など、最新の活用事例をリストにしました。是非、ダウンロードの上、ご参照頂ければ幸いです

【3】製品紹介

QIAseq FX DNA Library Kit

バイアスを最小限にした酵素法による全ゲノムシークエンス解析に最適なライブラリー試薬です。3ステップのシンプルなプロトコールにより、ラン間の誤差を最小限にします。20 pg~1 µg までの幅広いインプットDNA 量に対応します。

QIAseq 16S/ITS Region Panels

細菌の16S rRNA 可変領域や真菌の ITS 領域の解析が可能です。「フェーズドプライマー」により、PhiX 添加なしで高精度なリードクオリティを担保します。また、ウルトラクリーン製品のため、コンタミバックグラウンドを最小限にし、わずか1 pg の DNA から対応可能です。

REPLI-g Single Cell Kit

シングルセルあるいは限られたサンプル量からの全ゲノム増幅(WGA)に対応した試薬です。 REPLI-g Single Cell Kitはシングルセルあるいは精製ゲノムDNAからGCバイアスを最小限にして、Multiple Displacement Amplification(MDA)テクノロジーにより、最大のゲノムカバレッジで均一にゲノムDNAを増幅することができます。 その結果、微量核酸からできる実験デザインを最大化できます。

REPLI-g WTA Single Cell Kit

シングルセルあるいは限られたサンプル量からの全転写物の均一な増幅(WTA)に対応した試薬です。革新的な溶解バッファーで細胞RNAを効果的に安定化することにより、増幅されたRNAはin vivoでの遺伝子発現プロファイルを正確に反映します。全ての酵素反応のステップは、cDNAの正確な増幅を実現するために開発されています。この増幅にはMDAテクノロジーを使用しています。