血清や血漿中でエクソソームに含有され、比較的安定して存在するmiRNAは、がんの非侵襲的診断や治療効果のモニタリングの新たな分子マーカとして期待されています。特に、次世代シークエンシング(Next-Generation Sequencing, NGS)による包括的なmiRNAプロファイリングや発現変動の解析の活用が増えています。今回、NGSテクノロジーのパイオニアであるイルミナ株式会社と合同でmiRNAをテーマとしたウェビナーを企画させて頂きました。本ウェビナーでは、miRNAの解析手法や最新の研究成果のご紹介いたします。ゲストスピーカーとして、網羅的なmiRNA解析をされている慶應義塾大学の松崎 潤太郎先生をお招きします。皆様、是非ご参加ください。
演題1リキッドバイオプシー対応のmiRNA用NGSライブラリー調製試薬のご紹介演者嶋多 涼子株式会社キアゲン マーケティング部 要旨 本発表では、QIAseq miRNA Library Kitの特長についてご紹介させて頂きます。QIAseq miRNA Library Kitはリキッドバイオプシーに最適化されており、わずか1 ngの全RNAからでも高いマッピングを実現するmiRNA用NGSライブラリー調製試薬です。ゲル抽出が不要で簡便なライブラリー構築ができ、多施設間での一貫したプロトコル構築にもご利用頂けます。 |
演題2miRNAシーケンスに最適なNextSeq™ 1000/2000システムのご紹介演者鈴木 健介イルミナ株式会社営業本部技術営業部 要旨 本発表では、miRNAシーケンスにご利用いただける弊社の各種ベンチトップ型シーケンサーについて、NextSeq™ 1000/2000システムを中心にご紹介させていただきます。NextSeq 1000/2000システムは、洗練されたデザインによる高い操作性に加えて、改良されたシーケンスケミストリーにより、コスト効率の高いシーケンスの実施を可能にします。 |
演題3血中miRNAによる疾患診断開発の現状と課題演者松﨑 潤太郎 准教授慶應義塾大学薬学部薬物治療学講座 要旨血液などの体液を用いた疾病診断(リキッドバイオプシー)の研究開発が加速している。その解析標的のひとつとして、細胞外小胞およびそれに含まれるmiRNAの研究は世界的に進捗している。本邦では、2014年から5年間、NEDO/AMEDの委託を受けて「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」事業が実施され、どのようなことが血中miRNAで診断できるのかの知見が着実に蓄積されていると同時に、微量miRNA計測技術の開発も活発化している。本講演ではこれまでのヒト血清miRNAの解析結果をレビューし、今後の課題を共有したい。 |